廃材でつくる「できた!」が楽しい、サステナしながら飲める場所「リンネバー」に行ってきた
絵の具を塗って、布を貼り合わせて、トンカチを打って……。最後に夢中になって工作したときのことを覚えていますか?普段、夢中になって手を動かして、ものや作品を作ることってなかなかないですよね。
子どもの頃は自由に絵を描いたり工作を楽しんでいたはずなのに、いつの間にか遊び心がどこかに消えてしまい、頭も凝り固まってしまった……そんな方におすすめしたいのが、東京・御徒町にある「Rinne.bar(リンネバー)」。お酒を飲み、ワイワイ話しながら、廃材を使って“アップサイクルなものづくり”を体験できる、今話題の大人のエンタメスポットです。
今回は、「みんなで、つなぐ!」プロジェクトのメンバーがリンネバーでのものづくりを体験してきた様子をお届けします!
ものづくりが盛んな「カチクラ」エリアにある、リンネバー
リンネバーのある東京・台東区の御徒町〜蔵前のエリアは「カチクラ(徒蔵)」と呼ばれ、昔から布地や革製品など、地場のものづくりが盛んな地域として知られています。近年ではクリエイターが多く集まる地域となり、街とものづくりの魅力を感じられるイベント「モノマチ」も開催されています。
そんなカチクラエリアの商店や住宅が建ち並ぶ路地に佇むリンネバー。店先からすでにワクワクする雰囲気が漂い、レトロなガラス戸の向こうからは、にぎやかで温かな様子が伝わってきます。
いるだけでワクワクする、それでいてホッと落ち着く空間
店内に入ると出迎えてくれるのが、廃材から生まれ変わった素敵なアップサイクルアートの作品たち。布や革の端切れからつくったコインケースやキーチェーン、余った不ぞろいの木材「木っ端(こっぱ)」から生まれた生き物「KOPPAくん」など、飾られているのはすべてここで生まれたものたち。一つとして全く同じものはない、というのが廃材アップサイクルならではですね。
リンネバーでは、コインケースやKOPPAくんの他にも、ボウタイやピンブローチ、耳飾りなどのアクセサリーといったものづくりワークショップのメニューが用意され、豊富に取りそろえられた素材から必要な材料を選んで、自分だけのアイテムをつくることができます。
お酒を頼んで……さあ何を作ろう?
その名前にもあるとおり、大人がお酒を飲みながらものづくりを楽しめるのがリンネバーの特徴。オリジナルのカクテルやノンアルドリンクを注文してテーブルにつくと、「何つくる?」の作戦会議が早速始まりました。「ちょうどキーチェーンが欲しいからキーチェーンにしようかな」「ピンブローチつくって、上司にプレゼントしたら?」と盛り上がってなかなか決まりませんでしたが、結局「せっかくだからみんなで違うものを作ろう!」ということに。
それぞれ、つくり方のマニュアルを見て、色鮮やかな端材の中から必要な材料を集めます。端材を使うことで、どれも少しずつ色や手触りが違うのが面白いポイント。カラフルな素材たちに目移りしてしまいますが、完成形を大きく左右するだけに、皆さん素材選びにはとっても慎重でした。
材料が集まったら、いよいよ作業へ。マニュアルと手元を行ったり来たりしながら、恐る恐る素材に穴を開けたり、貼り合わせたりしていきます。ついさっきまで「どうするどうする?」と盛り上がっていたのが急に静かになり、「結構難しいかも?」「あ、ミスった」と早速雲行きが怪しくなります(笑)
日頃、四六時中パソコンに向かっており、手を使って細かい作業をすることに少々不安があるメンバーたち。そんな人でも楽しみながらものづくりができるように、スタッフの方が「いい調子ですね!」「素敵です」と声をかけてくださり、少し失敗してしまっても「ちょっとやり直してみましょう、大丈夫ですよ!」と全力でサポートしてくださいます。褒められて楽しくなってきたひとりは「大人になってこんなに褒められたことない。自己肯定感上がってきた!」と笑顔に。
また、お酒を飲みながらの作業になるため、けがをしないように、基本的にどのメニューも刃物を使わずにつくることができるように工夫がされています。
そうやって助けてもらっているうちに、少しずつ作業に慣れてきて、なんだか不思議と自分にもできるような気がしてくるんです。
悪戦苦闘(?)の末、できあがったのは……
夢中で手を動かし、お酒を飲みながら、時には仕事の話もしながら……初対面だったメンバーもだんだんと打ち解け、気づけば和気あいあいとした雰囲気に。手を動かすこと1時間、早くも完成したメンバーが出てきました。普段、仕事で「できた!」なんて言うことはほとんどないですよね。思わず喜びを口に出してしまうほどの達成感があるんです!
ボウタイづくりに挑戦したメンバーは、完成形が見えつつも最後の仕上げ作業に苦戦……皆さんに見守られ、助けてもらいながら、約2時間かけて素敵な一点ものが完成しました!
終わってみれば、「これ可愛いね!」「上手だね!」「何これ面白い!」、とお互いの作品の鑑賞会が始まり、「この色の組み合わせがポイントなんだよね」と一人ひとりが立派なアーティストに。自分でつくったものには愛着が湧きますし、ずっと大切に使い続けたいと思えるのがグッドですね。
誰もが「クリエイティビティ」を取り戻せる場へ
帰り際、「いい時間だったね」「上司も連れてきたい!」そんな言葉が飛び交うほど、リンネバーでの時間は温かく濃い時間でした。最後に、そんなリンネバーが生まれた経緯について聞いてみました。
店主の小島幸代さん(冒頭の画像中央)は、美大を卒業後、自らデザインするのではなく、「デザインする環境」を作ろうと、クリエイティブに特化したリクルートエージェンシーに勤務。デザインの知識がある組織づくりのサポートは重宝され、2012年に独立。クリエイターやデザイナーを発掘し、活躍をみる喜びもありながら、クリエイティブワークと企業運営のギャップに疑問を感じていたといいます。当時はデザイン思考などの考え方も普及し始めた頃だったものの、多くの企業は仕事が細分化されたまま。「効率や生産性重視の中で“クリエイティブに働いて”と言われてもちょっとハードルが高いですよね」と小島さん。
人が持っている遊び心やクリエイティビティを本当に引き出すためには、固定観念や思い込みを外すアンラーニング、自己解放が必要だと考え、小島さんはヒントを探し求めてDIYカルチャーで有名なポートランドへ向かいます。
そこで出合ったのが、後にリンネバーのルーツとなるDIYバー。「いらないものを活かす」というアップサイクルのコンセプトのもと、クラフトビールを飲みながらものづくりをする。そんな和気あいあいとした雰囲気がヒントとなり、これがアンラーニングの鍵になるのでは?ということで生まれたのが、「廃材を使い、ものづくりを楽しむ」リンネバーだったといいます。
お店をオープンしてから、リンネバーには近所の方や知り合いの方、お客さまから「こんなのあるけど、いる?」と、さまざまな素材が集まってくるそう。アップサイクルというと「古いものを組み合わせたもの」と思いがちですが、今回私たちがつくったものも誰かの「使わないけれど、誰かに大切に使ってほしい」という思いがこもっていると思うとどこか温もりを感じますね。
完成のイメージがない状態で素材を選ぶのは難しいけれど、ユニークな素材を見つけるのが楽しい。そして自分だけの一点ものができあがった瞬間の達成感たるや……!
仲の良い友人とはもちろん、「はじめまして」の人同士でも打ち解けて楽しめるのがリンネバーの良いところ。過去には、たまたま隣の席で作っていた2人がカップルになったこともあったそう。きっと忘れられない時間を過ごせるはずですので、ぜひ皆さんも足を運んでみてはいかがでしょうか?
店舗情報
Rinne.bar
住所:東京都台東区小島2-21-2
アクセス:つくばエクスプレス・都営大江戸線「新御徒町駅」A4出口裏通り、徒歩1分
営業時間:水〜日曜 13:00-22:00(21:00ラストオーダー)
Rinne.bar
https://www.rinne.earth/
Rinnebar | Instagram
https://www.instagram.com/rinnebar/
今回は「みんつな!」プロジェクトのメンバーでリンネバーにお邪魔しました。リンネバーの皆さん、どうもありがとうございました!
- WRITER
- みんつな!編集部
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